奥久慈男体山&茨城のジャンダルム(生瀬富士)
12月はじめの週末は茨城県北部の山へ向かった。
夜集合で仮眠をとって6時頃に出発。水戸で友人を拾って登山口に着いたのはおそらく10時過ぎ。寝不足&出遅れというよろしくないはじまり……。
だが、今回一緒に山を歩くのは、大学の同期の中でも特に山になど興味のなさそうだった友だち。いつの間にやら登山をはじめていて「君も山登りのおもしろさを知ってしまったか!」と心から嬉しい。
みなさん、山登りはじめましょう!
さて、大円地駐車場はほぼ満車。暖冬とはいえ12月に差し掛かり、雪や凍結のない手軽な低山で確実に自然を満喫したいという、同じ考えの登山者も多いのだろう。
茨城県にロングトレイルが誕生するという噂を耳にしてから、密かに注目していた茨城県北トレイル。今回歩いた男体山や生瀬富士もその一部に当たるが、なんとこの10月より名称が「常陸国ロングトレイル」に変更されていた。当然、標識などは県北トレイルの旧ロゴのまま。茨城の山地を象徴する山々の連なりを、シンプルかつ爽やかにうまく表現した旧ロゴがかなり好みだった。そのあたりはどうなるのだろう。
登山口からまっすぐに登ってトップの写真の岩場で視界がひらける。静かで山深い感じが奥秩父にも似ているような、似ていないような。
散りかけた紅葉がまだ美しく、点在する岩場は登る者を飽きさせない。火山岩系の岩はゴツゴツしていてグリップが効くが、落ち葉がたまっていたりもするのでそこは注意。
今回足元は、アルトラのローンピーク4.5。しっかり足の動きに追従して歩きやすい。かっこいい。
休憩をはさんでも1時間ちょっとで登頂。社で手を合わせ、裏にまわりこみ眼下の景色を楽しんだ後は、お待ちかねの昼食だ。
いつも準備のいい友人が、行きのコンビニで知らぬ間に調達したビーフシチュー+チーズやあんこ、チョコを挟み込んでホットサンドを調理。仲良く3人で1枚をかじって回し食いを繰り返すこと3回。最高にうまい。山をはじめたころからこうして食料はシェアするようにしている。その方が、最高にうまいからだ。
ちなみに私は空身で、脱いだ上着も人のザックに詰め込んでおりました。まあ計画を担当したのは私なので、良いバランスということで。
上/切り立った山頂に祀られる社。左/太平洋がかすかに望めているはず。右/ありがとう、友
634mでスカイツリーと同じ高さらしい。正確には、スカイツリーの立つ地点の海からの高さがプラスされて634+α mとなるので、標高ではスカイツリーのてっぺんの方が若干高いはずだ。
風もなく太陽が心地よかったので、ついゆったり過ごしてしまい、お風呂だったりを考えるとあまり時間がない。男体山から続く尾根道を篭岩まで行ってみたいと考えていたが、断念して大円地越から下山。この乗越も静かで良い所だった。
計画変更の理由は、もうひとつ歩きたい場所があったから。
その場所こそ、誰が名付けたか、“茨城のジャンダルム”。
ジャンダルムを知る人も知らぬ人も気になるネーミングだ。
車で少し移動して日本三名瀑に数えられる袋田の滝から少し離れた手前の駐車場へ到着。奥のパーキングは有料らしく、無料のこちらは観光客の車で溢れていた。
観光客の流れに逆らって集落側へ入り、裏山を早足で上がること30分ほど。それほどの難所もなく視界がひらけ、両側の切れ落ちた岩稜帯に立つ。
ここが人呼んで茨城のジャンダルム。正式には生瀬富士といい、標高は406mだそう。
これほど手軽に岩稜のスリルと快感を味わえるとは。しかもあまり登山や岩山のイメージがない茨城で。
理想通りにうまく高度感の伝わる写真は撮れなかったが、光景を心に刻んで下山。立神山の山頂を踏んで、袋田の滝側に下りることもできるが、今回はトレラン気取りでフィールドを駆け抜けながら駐車場へまっすぐ引き返す。
日照時間が短いというのは外遊び好きにとっては辛いこと。行動・計画が忙しなくなり、朝出遅れるとあっという間に日没を迎えてしまう。
今年の冬至は12月22日なので、これから日が延びていくのを心待ちに、今できる遊びを楽しみたい。
シャツスタイルが今の気分。パンツは普段履きしているグラミチ
帰り道、茨城では人気のローカルチェーン、とんQへ。ご飯とせん切りキャベツ、漬物がおかわりできるとんかつ専門店だ。週末は店の外まで順番待ちの人で溢れるほどの人気ぶりなので、事前にネット予約をしておくとスムーズに入店できる。
北海道徒歩旅行から続く食欲バブルはいまだ弾けず、カツ煮で米5杯を完食。感謝です。結果、エネルギー収支はプラスとなって日常へと戻ることに……。ではまた。
ローンピーク4.5